「粕漬けの粕は洗う?洗わない?」魚久の京粕漬の下準備と焼き方

魚久の粕漬けは「洗う〇・洗わない×」をテーマに、流水で切り身を洗う様子を紹介したコラムの表紙画像

はじめに:魚久の京粕漬は、粕を水で洗い流してから焼いてください

粕漬けは、日本の伝統的な保存食です。お祝いの席に一品として並ぶこともあれば、贈り物として食卓に届くこともあります。しかし、いざ調理を始めようと台所に立ったとき、多くの方がふと手を止めてしまう共通の疑問があります。
「焼く前、まわりの粕は洗うべきかしら? それともそのまま焼くべき?」
粕漬けや西京漬けは、粕や味噌を拭き取るとご案内されている例も見受けられます。しかし、粕漬け専門店である私たち「魚久(うおきゅう)」の京粕漬は、水で綺麗に洗い流してから焼いていただく商品です。これは、美味しく焼き上げるために欠かせない手順です。
魚久の京粕漬では、粕を水で洗い流していただくのが基本です。その理由と、焦げにくくする焼き方をご紹介します。

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第1章:粕を水で洗い流す理由

下準備の仕方は、焼き上がりの質感や風味に大きく影響します。

1.粕を残したまま焼くと焦げやすくなります

酒粕には、お米に由来する豊かな糖分やアミノ酸が豊富に含まれています。この糖分が粕漬け特有のまろやかな甘みとコクを生み出す源なのですが、同時に非常に「焦げやすい」という性質を持っています。この糖分は130℃〜180℃という比較的低い温度帯でカラメル化(茶色く色づく現象)が始まり、さらに温度が上がると炭化(黒く焦げる現象)へと進みます。弱火でじっくりと火を入れるのは、このためです。
もし、まわりの粕をたっぷりと残したまま(あるいは、ペーパーで軽く拭っただけの状態で)火にかけてしまうと、魚の身の中までじっくり火が通る前に、表面の酒粕だけが熱に反応して真っ黒に焦げ付いてしまいます。これでは、外側だけが色づき、中まで火が通らないことになります。

2.魚久の京粕漬は「水洗い」が必須となる理由

魚久の京粕漬が、粕をペーパーで軽く拭き取るのではなく水洗いを必須としているのには、理由があります。
その背景には、魚久の漬け込みの工程があります。私たちの京粕漬は、複数種類の酒粕と調味料を独自の配合で熟成させた粕床を使用し、魚種によって漬け込み時間を調整しながら、ひときれずつ丁寧に漬け込んでいます。そのため、お魚の旨みや程よい塩分、そして酒粕の芳醇な風味は、すでに魚の身の「芯」までしっかりと染み込んでいます。
表面の粕を流水で完全に洗い流したとしても、お魚自体の味が落ちたり、水っぽくなったりすることはありません。むしろ、表面の余分な糖分を水で綺麗に洗い流すことによって、焦げ付きを防ぎ、魚本来の良質な脂と熟成された旨みを、引き出すことができます。

第2章:焦げ付きを防ぐ下準備(洗い方と水気の取り方)

ここからご紹介するのは、ご家庭で焼いてお召し上がりいただく京粕漬(生・冷蔵)の手順です。水洗いが必須である理由が分かったところで、次は落ち着いて調理していただくための、具体的な下準備のステップをご紹介します。お魚の身を傷つけず、旨みを閉じ込めるための大切な作法です。

1.流水で優しく洗い流す

冷蔵庫から出した切り身を水道の弱めの流水に当て、表面の粕を指先で優しく撫でるようにして、綺麗に洗い流します。このとき、お魚の身を強く揉んだり、傷つけたりしないよう、丁寧に扱うのがポイントです。

2.水分を完全に拭き取る

水洗いが終わったら、ここも大切な工程です。乾いたキッチンペーパーで、切り身の表面や皮の周りの水分を、優しく押さえるようにして「完全に」拭き取ります。ここで水分が残っていると、焼いた際に身が水っぽくなってしまい、せっかくの質感が損なわれてしまいます。

ぎんだらの粕漬けの水気をキッチンペーパーでやさしく拭き取っている様子。

第3章:焼き方の手順(グリル・フライパン)

正しい下準備(水洗いと水気取り)を終えたら、いよいよ火入れの工程です。魚久の京粕漬、特に「ぎんだら」などは非常に脂のりが良いため、その豊かな脂は、口どけがよく上品な甘みを持ち、しつこさを感じさせないのが特長です。洗い流したあとも表面には粕の風味と糖分が残っているため、火加減は弱火が基本です。表面が飴色に色づくのを確認しながら焼き上げます。同封の「上手な焼き方」もあわせてご覧ください。

1.魚焼きグリルで焼く

魚焼きグリルは火力が強く、表面が先に焼けやすいため、弱火でじっくりと火を入れてください。
焼いている途中で、一部だけ焼き色が濃くなってくることがあります。その場合は、少し小さめに切ったアルミホイルをその部分にかぶせると、焦げや焼きすぎを抑えられます。
なお、アルミホイルを使う際は、コンロ奥の排気口をふさがないようご注意ください。お使いのコンロの取扱説明書もあわせてご確認ください。

2.フライパンで焼く

フライパンは火加減を目で確かめやすく、後片付けも比較的簡単です。フライパンに使えると表示のあるクッキングシートやホイルを敷き、油を引かずにひときれずつ並べて、弱火で焼きます。
焼き始めてしばらくすると、切り身から水分や脂が出てきます。出てきた水分や脂は先に焦げ付きやすく、シートにも切り身にもその焦げがついていきます。キッチンペーパーでこまめに拭き取っておくと、焦げの広がりを抑えられます。表面が焦げる前に中まで火を通したいときは、途中で蓋をする方法もあります。

第4章:温めるだけでお召し上がりいただける商品

ここまで、生・冷蔵の商品(家庭で焼いて食べるもの)をご自身で焼き上げるための方法をお伝えしてまいりました。魚久ではご家庭で焼いてお召し上がりいただく冷蔵商品のほかに、温めるだけでお召し上がりいただける冷凍商品もご用意しています。

レンジで温めた銀だら京粕漬のパックを開け、湯気が立ち上る様子。冷凍焼魚詰合せカテゴリのページへ

多くのお客様にご愛顧いただいているのが、電子レンジで温めるだけの「冷凍焼魚LYシリーズ(焼・冷凍)」です。
こちらは、あらかじめ提携工場で魚種にあった温度と時間で丁寧に焼き上げ、パックしました。ご自宅で粕を洗い流したり、火の番をしたりする手間は一切必要ありません。冷凍庫から取り出し、パックのまま電子レンジで約1分温めるだけで、ふっくらと焼き上げた京粕漬をお召し上がりいただけます。
ご家庭で焼く冷蔵商品と、温めるだけでお召し上がりいただける冷凍商品。それぞれの魅力をご自身の暮らしや、贈り先の状況に合わせてお選びいただけることも、魚久のギフトが多くの方に長く親しまれている理由の一つです。

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結び:粕は水で洗い流してから、弱火でじっくり

「粕は洗うべきか、洗わないべきか」。魚久の京粕漬は、身の芯まで旨みが染み込むように漬け込んでいます。そのため、表面の粕は水で洗い流していただいて差し支えありません。味わいは、漬け込みと熟成の段階で仕上がっています。ご家庭では、表面の粕を水で洗い流し、水分を拭き取って、弱火でじっくりと火を入れていただければ、美味しくお召し上がりいただけます。

商品に同封されている「上手な焼き方」パンフレットを片手に、ぜひ今夜は丁寧な下準備から始まる、ゆったりとした和食の時間をお楽しみください。炊きたての白いご飯や、お気に入りの日本酒とともに、弱火でじっくりと焼き上げたひときれが、皆様の食卓のひとときに寄り添えることを、人形町・魚久は心より願っております。

執筆:F.S

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